家づくりを真剣に考え、選択中のユーザーの方の目に入り、気軽にのぞけるように、そして足を運びやすい場所に「体感・体験できるモデルハウス」をつくろうと決心したのです。
ていました。
私の知識レベルでは、良い建材、優れた技術の大工さん、丁寧な施工という程度でしたので、突然、「ソーラーサーキットエ法で得られる住環境は素晴らしい」と言葉でいくら語ったとしても、我田引水の世界としか受け止められないことでしょう。
また、仕組みや理論を、活字にして、図解して、いくらわかりやすく伝えようとしても、健康性・快適性重視の住宅文化が成熟しているとはとても思えませんでした。
浦和市上木崎(現在さいたま市浦和区上木崎)に「体験宿泊モデルハウス第1号」の建設を始めることにしました。
使えるお金の限界を恨みつつ、それでも社運をかけて挑戦してみることにしたのです。
たいへんいびつな形をした土地でした。
そのため、1階部分に無理やり、駐車スペースを取り込んだ設計になってしまいました。
1階には和室ひとつしかとれず、寝室は駐車スペースの上にあたる中2階。
キッチン・ダイニング・リビングを2階に置き、子供部屋は小屋裏という、必ずしも使いやすいとはいえない設計になってしまいました。
そういったまずさを兼ね備えた住宅でしたが、ソーラーサーキットエ法を知るということからみれば、大いに役立つモデルハウスだったと思っています。
こうして体験宿泊モデルハウス第1号はオープンしました。
2階の納戸が、モデルハウス要員のスタッフルームとしてのスタートでした(後の浦和支店)。
家の性能は、その家に1時間や2時間いたところではっきり理解できるものだとは思えませんでした。
家は生活し、暮らす空間です。
自分たち家族にとって良い家であるかどうか、それは生活してみて初めてわかるものです。
そんな当たり前のことをしないまま、私たちはこれまで家という高い買い物をしてきました。
特にこの家の良さを理解してもらうためにも、宿泊し、この家での生活を「体感・体験」してもらいたかったのです。
モデルハウスで私たちは、何を見、何を体感・体験することができるのでしょう。
お酒落な家具や調度品に飾られ、ゴミ箱も置いていない空間で、1時間や2時間過ごしても、それは日常生活とはかけ離れた空間です。
家で私たちは料理をし、食事をし、テレビを見たり読書をして、お風呂に入り、布団に入って眠り、朝起きたら裸足で床に触れ、パジャマ姿でトイレに行き、着替えをし・・・。
そんな日常の生活を体験してみて、感じるもののほうがはるかに大事なものがあるはずです。
ハウスメーカーのモデルハウスに宿泊したらどうなるでしょう。
多くの虚飾、数々の隠された嘘に気がつくことができるかもしれません。
「家は宿泊してから選ぶ」ということは、とても当たり前なことのように思えました。
とはいえ、約半年間に、見学者は数組、宿泊体験者はそこそこ・・・。
この結果はある程度は予想していたとはいえ、寂しいものでした。
モデルハウスに「宿泊」するという慣習や常識がありませんし、「宿泊」してしまったら断れなくなってしまうという警戒心が先に働き、敬遠されたのでしょう。
これまで経験したことのないような優れた住宅性能を持った家、自分の経験すべてをもってしても自信をもってすすめることができる家のはずなのに。
そんなときでした、うれしいことが起こり始めたのです。
宿泊体験をされた巧組の方々が、次々とお客様になってくれたのです。
いろいろなご事情、ご計画があって、すぐに契約、建築するということではありませんでした。
うれしいことが起こりました。
思いが先走った、市場とはかけ離れた発想の盲点でした。
当時は、地元の生活協同組合も「宿泊体験モデルハウス」についてご理解いただき、推奨してくれましたが、「住宅を宿泊して選ぶ」という提案は住まい選びにおいては常識外であり、私の気持ちだけが空回りしているような状態でした。
ソーラーサーキット住宅という未知の性能を理解してもらうための「宿泊体験モデルハウス」という発想であったのに、「宿泊体験モデルハウス」自体が経験したことのない、未知のシステムだったのです。
まさに笛吹けど踊らずという、気持ちだけが空回りしてしまうありさまでした。
また、暖かい、涼しいという感覚は体感してわかる代表的なものですが、ソーラーサーキット住宅がつくる室温環境は、1時間、2時間過ごして優位性を感じるものでもありません。
冷暖房機器を多く稼働して得られる温度環境ではなく、それが止まったときに穏やかに感じる暖かさであったり、爽やかな空気感なのです。
その微妙な心地よさを体感したとき、今まで感じたことのないような室内環境を認識することができるのです。
宿泊された一晩の体感・体験から、他社メーカーとは明らかに異なる居住性能、いわゆる住み心地の大切さを発見されたのです。
頭で理解するのではなく、人間の五感を通して得ることのできる感覚的な情報というものは、「体感」した人間にしか理解できないものです。
住む.暮らす空間の優位性に関して、人間は頭で論理的に考えるものではなく、それよりも五感が心地よいと感じるもののほうが大切な、確かな何ものかがあるのではないでしょうか。
ソーラーサーキット住宅が、温度、湿度、空気という目に見えない環境を提供するもので、その環境をつくり出すシステムも、目で見たからといってすぐに納得ができるもので例えば、これまでに経験した心地よさの記憶を思い出してみてください。
そこにいるだけで心地よい、その空気感に包まれていると、身体の緊張感がしだいにほぐれ、心まで穏やかになっていくような、そんな経験はないでしょうか。
でも、それはいくら説明しても伝わらない、経験した者にしかわからない空気感といったものです。
私たちが家に求めているものは、本来、そういった穏やかな住み心地のよきではないでしょうか。
体験宿泊モデルハウス第一号に宿泊された方々から、当社のソーラーサーキットエ法の家づくりは静かに動き始めました。
そして、すでに当社のソーラーサーキットエ法で建てた家は670棟に迫っています。
体験宿泊モデルハウス第1号を建設してから、5年後には第2号の体験宿泊モデルハウスを東武東上線ふじみ野駅近くに建設、4年後には第3号を川口市のダイヤモンドシティ近くの産業道路沿いに建設、さらに1年後には第4号を群馬県板倉ニュータウン内に建設しました。
現在は、この4棟の宿泊体験モデルハウスをご利用していただいてます。
当社のモデルハウスの配置には理由があります。
それは、家づくりは、その土地の気候風土を無視しては危険だと考えているからです。
気温、湿度、雨量、日射、季節風、地盤、水脈、シロアリ、景観など、その土地に合わせた最適な建て方を考え、選択していかなければなりません。
その地域の気象条件を調べ、それらの特徴ある事柄を分析し、加えるもの、差し引くものを考え、全体のバランスを調整しながら家づくりをします。
4棟のモデルハウスは、当社の営業エリアを考えて、建設しています。
これらモデルハウスは、かなうことならば、3年、5年、10年、20年、の経年変化を観察し、また、性能維持の検証をしていきたいと考えています。
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